気温が下がり空気が乾燥することから、寒い季節はさまざまな不調が出たり、病気が流行したりしますよね。
管理栄養士の筆者が、今の時期に食べたい「免疫力を上げる食べ物や飲み物」をご紹介します。
■免疫力UPのポイント
食事で免疫力を高めるには、「腸活」や「粘膜の健康維持」がキーワードとなります。
腸活
腸は、食べ物を消化・吸収する器官です。
体外からのウイルスや病原菌が侵入しやすい場所でもあるため、身体全体の約7割の免疫細胞が腸に集まっているのだそう。
したがって、腸内環境を快適に整えるということは、免疫力UPにつながります。
粘膜の健康維持
鼻や喉などの粘膜も、ウイルスや病原菌が侵入しやすい場所です。そのため、粘膜の健康を維持することで、免疫力UPにつながります。
その他、免疫力を上げる働きがある栄養成分を摂取するとよいでしょう。
■免疫力UPに役立つおすすめの食材&飲み物
(1)干し椎茸
干し椎茸には、免疫力UPに役立つ「ビタミンD」が豊富に含まれています。
ビタミンDは、体内に侵入したウイルスや病原菌に対して必要な免疫機能を促進させる働きがあるのだそう。
ビタミンDは、カルシウムと共に骨の健康に役立つことでも知られていますが、免疫力UPにも欠かせない栄養素です。
風邪などが流行する寒い季節には、積極的に摂りましょう。
(2)発酵食品
ヨーグルトやキムチ、納豆、味噌などの発酵食品には、乳酸菌や納豆菌といった「善玉菌」が含まれています。
善玉菌は、腸内環境を整える働きがあるため、免疫力UPにつながるでしょう。
また、善玉菌は「食物繊維」や「オリゴ糖」などをエサにして増えるため、「発酵食品×食物繊維」「発酵食品×オリゴ糖」を意識すると効率的です。
具体的には、ヨーグルト×キウイ、納豆×めかぶ、ヨーグルト×はちみつなどの組み合わせです。
(3)緑茶
緑茶には「カテキン」が豊富に含まれています。カテキンには強い抗酸化作用があるので、体内で過剰に発生する活性酸素の働きを抑えることに役立ちます。
活性酸素が過剰に発生すると、体内の免疫細胞が傷ついて体調を崩しやすくなってしまうため、緑茶を飲んで免疫力UPを狙いましょう。
カテキンには免疫に関わる細胞の活性化作用があることも、緑茶が免疫力UPに役立つ理由の一つです。
カテキンは80度以上のお湯で抽出されやすいため、温度に意識して淹れてみてくださいね。
(4)かぼちゃ
かぼちゃは、免疫力UPに役立つ「βカロテン」が摂れる野菜です。体内で「ビタミンA」に変換され、粘膜を丈夫に保つ働きをもっています。
粘膜が丈夫に保たれることで、体外からのウイルスや病原菌の侵入防止に役立つため、免疫力UPにつながるでしょう。
さらに、かぼちゃには「ビタミンC」も含まれています。ビタミンCは、ウイルスを攻撃したり免疫に関わる細胞の働きを強化したりする働きがあるとのこと。
βカロテンとの相乗効果が期待できるでしょう。
また、βカロテンとビタミンCには抗酸化作用があるため、免疫力UPだけでなくエイジングケアにもおすすめですよ。
βカロテンは脂溶性であるため、「かぼちゃのミルクスープ」「かぼちゃのチーズ焼き」などのメニューでいただきましょう。
食事は1日3回とるものなので、身体の内側から免疫力を上げていくことが大切です。そのうえで、しっかり睡眠をとって疲れやストレスをためない生活を意識できるとよいでしょう。
(フリーランス管理栄養士 今井 尚美)
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【参考】
※免疫力を高める食事とは – 健康長寿ネット
※ビタミンDで丈夫な体づくり-かぜ・インフルエンザの発症予防にも – 全薬グループ
※「ポリフェノール、茶カテキンによる免疫機能の活性化と感染症予防」 – 花王
※特集1 緑茶(4) – 農林水産省