肌の弾力が気になり始める40代。美肌に欠かせない「コラーゲン」を摂取して、いつまでも若々しいお肌をキープしたいもの。
CMや雑誌等でもたくさんとり上げられ、試しに買ってみたことがあるという方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、管理栄養士の筆者が「コラーゲンを含む食べ物と効果的な摂取方法」を紹介します。
■目次
1.コラーゲンを豊富に含む食べ物
2.コラーゲン量と効果
(1)動物性食品
(2)海洋性食品
3.コラーゲンを含む食品を効率よく摂取するポイント
4.上手にコラーゲンを摂取できるレシピ
(1)ぷるぷるトマトソースのパスタ
5.効果的なコラーゲン摂取のために避けたい食事
(1)コラーゲンを摂取する時のポイント
■1.コラーゲンを豊富に含む食べ物
コラーゲンを豊富に含む食品は、「動物性食品」と「海洋性食品」があります。
コラーゲンを豊富に含む動物性食品
・豚モツ
・鶏の皮、手羽先、軟骨
・牛スジ
・豚バラ肉
コラーゲンを豊富に含む海洋性食品
・スッポン
・フカヒレ
・うなぎ
・なまこ
・カレイ
・エビ
・くらげ
上記で紹介した食品が代表的なものになります。豚足や手羽先を煮たものやフカヒレやスッポン等は、たっぷりコラーゲンを摂取できることで女性の間でとても人気です。
ゼラチン
ゼラチンは、コラーゲンに似ていることでも有名な食品のひとつです。
コラーゲンを多く含む食べ物のカロリーや脂質が気になる方は、ゼラチンから摂取してみてはいかがでしょうか。
■2.コラーゲン量と効果
()の数値は、100g中のコラーゲン量です。
(1)動物性食品
豚モツ(3080mg)
コラーゲンが豊富に含まれていることで有名ですが、コラーゲン以外にも「エラスチン」が豊富に含まれています。エラスチンは、シワやたるみを防ぎ、肌の弾力を保つ働きがあります。
牛すじ(4980mg)
コラーゲン、エラスチンに加え、肌のハリや弾力を与える「コンドロイチン」が豊富に含まれています。牛すじ煮込み等のスープもコラーゲンの摂取には効果的です。
手羽先(1550mg)
良質なタンパク質が豊富に含まれており、エラスチン等の美肌成分も含まれています。手羽先には「ビタミンA」も多く含まれており、粘膜の修復や強化をする働きがあります。そのため、肌荒れや皮膚の乾燥を予防してくれます。
(2)海洋性食品
エビ(1150mg)
疲労を回復する働きのある「タウリン」が豊富に含まれています。エビには、「カルシウム」や「キチン」、「アスタキサンチン」も豊富に含まれており、それぞれが様々な働きを期待できます。
マツカワ「かれい」(300〜1,800mg)
かれいはカロリー、脂質が低くヘルシーな魚として知られていますが「アミノ酸」がバランスよく含まれており、肌荒れを防ぐ「ビタミンB2」も含まれています。
フカヒレ(9920mg)
コラーゲンの含有率がダントツに多いフカヒレ。アンチエイジングに効果的な皮膚の乾燥やシワを防ぎ、みずみずしい肌を保つ「コンドロイチン」が豊富に含まれています。
うなぎ(5530mg)
コラーゲンのみならず、皮膚の粘膜を強くし免疫力を高める「ビタミンA」、抗酸化作用のある「ビタミンE」、カルシウムの吸収を助ける「ビタミンD」、コレステロールの代謝を促す「DHA」や「EPA」、褥瘡(じょくそう)予防や美肌を保つ「亜鉛」など、さまざまな栄養素が豊富に含まれている高栄養価食材です。
■3.コラーゲンを含む食品を効率よく摂取するポイント
タンパク質であるコラーゲンは、1度体内でアミノ酸に分解されてから吸収し、皮膚や関節に届きます。コラーゲンは、「ビタミンC」と一緒に摂取すると吸収率が高まるといわれています。
コラーゲンとビタミンCを一緒に摂取すると、肌や骨、関節などの健康維持やアンチエイジングの効果が期待できます。
コラーゲンは「タンパク質」の1種です。良質なタンパク質に含まれる「アミノ酸」のバランスは、美肌には必須なのです。
「毎日コラーゲンを摂取するのはたいへんだから、サプリで摂取するのはダメ?」という声も耳にしますが、サプリメントはあくまで補助的な役割なので、基本は食材から摂取していただくことをおすすめします。
■4.上手にコラーゲンを摂取できるレシピ
簡単で作りやすく、冷めても美味しいレシピを紹介します。ぜひ、お試しください。
(1)ぷるぷるトマトソースのパスタ
材料(1人分)
・玉ねぎ 20g
・にんじん 20g
・ウインナー 40g
・にんにく 2g
・オリーブオイル 5g
・水 200cc
・ホールトマト缶 200g
・ハチミツ 5g
・塩コショウ 適量
・パスタ 100g
・ゼラチン 2g
・粉チーズ 適量
・パスタ 1人前
作り方
(1)玉ねぎ、にんじんを小さめの角切りにして、ウインナーを輪切りにします。
(2)鍋で刻んだにんにくとオリーブオイルを熱し、(1)と塩コショウを入れて炒めます。
(3)ホールトマト缶を入れ、トマトの酸味が飛ぶまで炒め、ふやかしたゼラチンとハチミツと水を加えます。
(4)パスタを茹でる際は、パスタを折って入れ、袋の表示時間通りに茹でます。
(5)塩コショウで味を調えて皿に盛り付け、最後に粉チーズをふりかけて完成です。
■5.効果的なコラーゲン摂取のために避けたい食事
コラーゲン摂取のために避けたい食事は「高脂肪の食事」と「高糖質の食べ物」です。
コラーゲンが多く含まれる食品は、高カロリーのものが多いです。脂肪分が高いと抗酸化物質を多く使ってしまうため、老化の原因となります。アンチエイジングを目指していても老け顔になってしまう場合があります。
また、糖質の高い食べ物はコラーゲンが糖化してしまいます。糖化したコラーゲンは固くなり、弾力性が失われてしまいます。その結果、肌の弾力を失い、関節を痛める場合があります。
(1)コラーゲンを摂取する時のポイント
「適度な量を食べること」と「吸収率を高めるためにビタミンと一緒に摂取する」という2つがポイントとなります。
サプリメントに頼りがちな方
サプリメントに頼りがちになってしまうという30代、40代の忙しい方は、極力食事でコラーゲンを摂取するようにし、補助的にサプリメントを使用しましょう。
コラーゲンの脂質が気になる方
コラーゲンの脂質が気になる方は、夕食に食べるのではなく昼食に食べましょう。夕食に食べる場合は、食物繊維を多く含む食材から食べることを心がけてみてください。また、食事後3時間はあけて就寝するほうが、脂肪をため込まなくてよいでしょう。
気を付けることやポイントはいくつもありますが、1番は「楽しく食べること」が大切です。これが1番のアンチエイジングになりますので、ぜひ楽しくコラーゲンを摂取してくださいね。
(管理栄養士/おやこ食育プランナー/美食ライフプランナー やなぎさわえりな
「すべての女性は美しい」をモットーに「食べる」ことを通して自分らしく育児も自分磨きも楽しむメソッドを提案。)
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【参考】
※コラーゲンを多く含む食品 – 山田養蜂場の気になる健康情報
※20代から50代日本人女性における食事由来コラーゲン推定摂取量の特徴
※コラーゲンにはカロリーがあるの? – ファンケル
※マツカワのコラーゲンに関する研究
※香川 明夫 「七訂食品成分表2016」 (2017) 女子栄養大学出版部
※Luvtelli 「LUVTELLI3」 (2010) Luvtelli
※宗像 伸子 「からだにおいしいキッチン栄養学」 (2012) 高橋書店