猛暑日が続き、寝苦しさから、睡眠の質が下がっている……という方も少なくないのでは。室温調節や生活習慣の改善などとともに、睡眠の質を高めるために注目されているのが「食物繊維」です。
近年の研究では、食物繊維を積極的に摂取することで、腸内環境を整えることが、睡眠の質を高める可能性があると注目されているのだそう。予防医療コンサルタントの細川モモさんに、睡眠の質を高める食事のコツをお聞きしました。
■“食物繊維リッチ”な人ほど、睡眠の質が高い!?
「近年、食物繊維の新たな働きとして、睡眠への影響が注目されています。米国コロンビア大学の調査により、睡眠の質が高い人ほど食物繊維を多く摂っていたことが報告されています」
「また、一般社団法人Luvtelli(ラブテリ)が行った日本女性への介入研究においても、食物繊維が睡眠の質を高める可能性があることが示唆されています」
便秘が睡眠の質を低下させる
「“睡眠のホルモン”と呼ばれるメラトニンの生成には、セロトニンが欠かせません。実は、セロトニンの95%は腸で作れられています。さらに、メラトニンの材料となるトリプトファン(たんぱく質を構成する必須アミノ酸のひとつ)は、腸内細菌のチカラを借りなくてはトリプトファンになれないため、便秘が睡眠の質を低下させてしまうことも明らかになっています※」
※小野成之 et al. 東京圏の成人女性を対象とした便通状態と睡眠健康に関する疫学的調査:女性心身医学 Vol.10(2005)No. 2 p. 67-75
腸内細菌叢の乱れは体内時計の乱れにつながる!
「夏は喉越しのよい麺類が中心になり、食欲も減退しやすいことから、食物繊維の不足に拍車がかかってしまう可能性が高い季節です。腸内細菌叢の乱れは体内時計の乱れに繋がることもわかっていますので、注意が必要です」
■食物繊維を摂るときは、乳酸菌やビフィズス菌とセットに!
「お腹の健康のために、食物繊維を摂取する際におすすめなのが、乳酸菌やビフィズス菌とセットで摂ることです。『善玉菌を摂ること』と『善玉菌に居心地の良い腸内環境を整えること』の両方が必要だからです」
夏でも食べやすい!グラノーラ&ヨーグルトがおすすめ
「暑い夏でも食べやすい組み合わせとして、食物繊維を摂れるグラノーラとヨーグルトの食べ合わせがおすすめです」
「ヨーグルトは発酵食品であり、乳酸菌を多く含んでいます。外から菌を取り入れて腸内環境を整えることを『probiotics(プロバイオティクス)』といい、健康意識の高い人達が多く実践している健康法です」
暑さのせいだと思いがちな、寝苦しさや睡眠の質の低下。食物繊維と乳酸菌の食べ合わせで、腸内環境を整え、夏も質の高い睡眠をキープして。(つやプラ編集部)
【細川 モモ(ほそかわ もも)さん プロフィール】
予防医療コンサルタント/社団法人ラブテリトーキョー&ニューヨーク代表理事
2009年に医療と食の専門家による予防医療プロジェクト「ラブテリトーキョー&ニューヨーク」を発足。2014年に、三菱地所(株)と共に働く女性のための「まるのうち保健室」をオープン、「働き女子1,000名白書」を発表。現在は一児の母として、「子供の健やかな発達発育は社会の宝物」とい う理念のもと母子健康向上PJ「おやこ保健室」を立ち上げ、小学生の生活習慣病予備軍4〜5人に1人という現状をママと乳幼児の健康増進活動を通じて変えていく活動を実施。日経DUALやPre-mo(プレ モ)にて連載執筆中。
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