頭を前に出して背中を丸めながら長時間パソコンに向かい、黙々とキーボードを打ち込むという日々を送っている人は多いのではないでしょうか。ですが、そのような生活が続くと姿勢が悪くなっていく一方です。
これを放っておくと姿勢が悪くなることはもちろんのこと、たるみの目立つお腹や贅肉がはみ出る背中になってしまうかもしれません。
パーソナルトレーナーの筆者が、オフィスで座ったままできる「猫背改善ストレッチ」をご紹介します。
■デスクワークの人は猫背になりやすい
仕事中、気がついたらすぐにイスにだらんと寄りかかっていたり、前かがみになってたりしてはいませんか？
デスクワーク中はどうしても姿勢が悪くなりがちです。それが一時的であれば良いのですが、長時間同じ姿勢をとり続けることで、その姿勢が固定化されてしまう場合があります。
デスクワーク中は猫背になってしまう要因が数多く存在しますので、これらに対応していかなければ、年齢を感じさせる丸まった背中になってしまうかもしれません。
■デスクワーク中のNG姿勢3つ
(1)キーボードや書類など、前で手を使う作業が多い
デスクワーカー以外に美容師の人にもいえることですが、長時間手を前側で扱う作業をしていると、肩甲骨が前側に移動してしまう場合があります。
肩甲骨が前側に移動することで、上部から中部の背骨が前に引っ張られます。その結果、背中が丸まってしまいます。
(2)前かがみになってしまう
デスクワーク中に背筋を伸ばしていても、パソコンや書類をのぞき込もうとした際に、つい前に乗り出して作業してしまうことはありますよね。その結果、背骨下部＋骨盤のあたりが丸くなってしまう場合があります。
また、肩甲骨が前方へ移動してしまうと、さらに猫背が進行してしまう場合もあります。
(3)背もたれに寄り掛かりすぎて背骨が前に曲がってしまう
前かがみになりすぎても猫背になってしまいますが、寄りかかりすぎても猫背が進行しやすいのです。背もたれにおもいきり寄りかかると背骨全体が丸まってしまい、猫背が強調されてしまう場合があります。
ですから、前かがみの姿勢や寄りかかっている時間が長いと、姿勢は悪くなってしまうでしょう。
他にも、股関節の筋肉が固くなるなど、座位は姿勢が悪くなる要因が多くあります。「デスクワーカーは姿勢が悪くなりやすい」と認識しておくと良いでしょう。
■胸の筋肉が固くなり肩甲骨が前に移動するとどうなるの？
胸の筋肉が固くなり肩甲骨が前に移動すると、身体の中はどうなっていると思いますか？
まず、腹筋が縮まり、こり固まってしまいます。その結果、背骨が前側にまるまって「円背」という状態を作ってしまいます。
この背骨の並びが固定化されると、猫背が作られます。
さらに、肩甲骨が前側に移動することで、より背骨は前側に丸まり、首は前側に移動してしまいます。この状態になると、今度は胸の筋肉である「大胸筋」まで縮こまって固くなり、猫背姿勢につながってしまいます。
腹筋をストレッチしても猫背が改善されない方は、大胸筋をストレッチして、肩甲骨を正しい位置に戻してあげましょう。
■仕事の合間に固くなった筋肉をほぐす「大胸筋ストレッチ」
前述したように、良い姿勢をとり続けなければ姿勢は悪くなる一方ですが、それは集中力などの観点から見ても非現実的なことかと思います。
最初は固くなった筋肉をストレッチして、骨の並びを元の位置に戻すことから始めましょう。
大胸筋ストレッチのやり方
（1）軽く背筋を伸ばします。上腕が地面と平行になるまで上げます。
（2）肘を上げた状態から、肘を後ろに引きます。引ききったら、1カウントして（1）の状態に戻します。これを15回程度繰り返しましょう。反対側も同じように行ってください。
デスクワークの人は、特に筋肉がこりやすいことを意識しましょう。こまめにストレッチをして固くなった筋肉をほぐし、正しい姿勢をキープできるようにしましょう。
（パーソナルトレーナー 藤本 千晶）
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