「いくら腹筋運動を頑張っても、なかなかぽっこりお腹が改善されない」とお悩みの方は、腹筋が原因ではなく、骨盤のバランスの乱れに原因があるかもしれません。
パーソナルトレーナーとして多くの方の体形改善を指導してきた筆者が、骨盤を矯正するためのストレッチをご紹介します。
■ぽっこりお腹の原因は骨盤のバランスの乱れ
骨盤自体はズレない
よく、「骨盤がゆがむ」と勘違いをされる方が多いのですが、骨盤自体はゆがんだりズレたりしません。
骨盤は「仙骨」「腸骨」「坐骨」「恥骨」「尾骨」から構成されています。
これらの骨は靭帯等で強力に固定されているため、なんらかの強い衝撃が加わらないかぎりズレることはありません。つまり、こういったズレやゆがみ方はほぼありえないということです。
では、「骨盤のバランスの乱れ」とはなにかというと、筋肉が固くなるなどの原因により、骨盤全体の位置が正常から前後にズレることをいいます。
骨盤の位置が変化することで姿勢にも変化が
骨盤の位置がズレると姿勢が変化しやすくなります。特に、骨盤が後傾すると「スウェイバック」という姿勢になってしまうこともあります。
スウェイバックとは、猫背のような悪い姿勢のひとつです。一般的にイメージされる猫背(円背)とスウェイバックは以下のような違いがあります。
円背は骨盤の位置が後ろに動いているのに対して、スウェイバックは前側に移動しています。その結果、お腹のでっぱりが強調されてぽっこりお腹になってしまうのです。
これを改善するためには、骨盤の前方向への乱れを正しい位置に戻す必要があります。そのためには、骨盤後傾を改善することが大切です。
■骨盤を後に引っ張る「太もも裏の筋肉」
骨盤を後ろ側にひっぱる筋肉として、太もも裏の筋肉である「ハムストリングス」があります。この筋肉が硬いと、骨盤を後ろ側に引っ張り、骨盤後傾になってしまう場合があります。
ですから、この筋肉の柔軟性を上げていくためのストレッチがおすすめです。
■太もも裏の筋肉をやわらかくするストレッチ
(1)タオルを用意します。
(2)片方の膝を床につけ、片方の足を前に伸ばします。伸ばした方のつま先にタオルを引っかけます。
(3)タオルを引っ張りながら身体を前にゆっくり倒します。太もも裏がストレッチされていると感じるところで30秒キープします。
(4)反対側も同様に行ってください。
太もも裏の筋肉は、骨盤の位置を整えるために非常に重要な筋肉となります。毎日のストレッチのルーティンにとり入れてみてください。
(パーソナルトレーナー 藤本 千晶)
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