「朝は髪にかける時間があまりない!」と思ってパーマをかけたのに、セットが上手くいかず、「結局は結んでいる」という方もいらっしゃるのではないでしょうか?
パーマは「ヘアデザインをプラスする」ものですから、ストレートの髪をコテで巻くより短時間でスタイリングできます。ですが、さらに手軽に上手にスタイリングできたら嬉しいですよね。
美容師の筆者が、パーマヘアの簡単なスタイリング法や、髪質に合ったパーマのご提案、どうしてもうまくスタイリングできない方におすすめの「パーマをいかしたカット」をご提案します。
■パーマの種類
パーマの種類を大きく分けると、「コールド系パーマ」と「ホット系パーマ」の2種類になります。それぞれのパーマには特徴があり、スタイリングの仕方も異なります。
コールド系パーマ
昔から美容室で使われている、ロッド(パーマのときに用いられる筒状の道具)に髪を巻いて薬剤をつけ、固定するパーマ法です。
髪がぬれている状態が一番カールが強く、根元からボリュームが出るようにパーマをかけることも可能です。
コールド系パーマに向いている方
髪全体のボリュームを出したい方におすすめです。
コールドパーマは根元からかけることができるため、根元からボリュームを出すことができます。
ムースで仕上げるような、ラフなぬれっぱなしスタイルにされたい方にもおすすめです。コールド系パーマはぬれている時が一番カールがしっかり出るため、ぬれっぱなしのスタイルにも向いています。
ホット系パーマ
“デジタルパーマ”などがホット系パーマにあたります。薬剤をつけてから一度髪を洗い、ロッドに巻いた髪に熱を加えてカールをつけるパーマ法です。
薬剤の性質上、髪の根元からパーマをかけることはできません。ですが、コテで巻いたような弾力のある大きめのカールが再現でき、髪が乾いている状態が一番カールが強いのが特徴です。
ホット系パーマに向いている方
コテで巻いたような、弾力のある大きめのカールを出したい方におすすめです。
ホット系パーマは、コテで巻いたようなスタイルを再現するために開発されたパーマです。髪がぬれている時はカールがゆるくても、乾かすと大きめで弾力のあるカールになります。
また、薬剤の性質上、縮毛矯正をされている方は髪にコーティングがされているため、通常のコールド系パーマはかかりづらいでしょう。ですが、ホット系パーマですと、薬剤がコーティングされている内部まで入り込むため、問題なくパーマをかけることができます。
その他、髪質やご希望のスタイルなどによっても選定基準が異なると思いますので、担当の美容師さんに相談してみてください。
■パーマヘアの簡単スタイリング法
コールド系パーマの場合
コールド系パーマはぬれている状態が一番カールが強く、乾いている状態だとパーマがだれています。必ず髪を根元からしっかりぬらしましょう。
(1)ぬれた髪を乾かす前に、毛先にドライヤーの熱から髪を保護するオイルやクリームをつけます。そして、一番乾かしづらい根元から乾かしましょう。
(2)次に、中間から毛先を乾かします。極力短時間でスタイリングができるように、事前にしっかりタオルドライしておきましょう。カールを引っ張らないようにもみこんだり、ねじりながら乾かしてください。
ポイント
・ムースやジェルで仕上げる場合は、半乾きの状態でムースやジェルをつけ、その後に弱風でムースの水気を飛ばすように軽く乾かします。
・ワックスなどで仕上げる場合は、しっかり乾かしてからワックスをつけるようにしましょう。
コールド系パーマの方におすすめのアイテム
パーマ用のヘアディフューザー
コールド系パーマの場合に意外とむずかしいのが、カールの形状を残したまましっかり乾かすことです。
コールド系パーマはぬれている状態が一番カールが強く、乾かすにつれて段々カールが伸びてしまうため、ドライヤーで乾かす場合は弱風で乾かしている方が多いと思いますが、その分時間がかかります。できれば短時間ですませたいものですよね。
そのような方にはこちらのアイテムがおすすめです。2000円弱くらいのものから販売されている「パーマ用のヘアディフューザー」です。
ドライヤーにつけて使用するものですが、正面の形状を見ていただければ分かるように、ドライヤーの熱や風を分散してくれます。そのため、強風で乾かしても乾かしすぎることがなく、カールがキープされたままの仕上がりになります。
「ドライヤーだけでは上手くカールが出せない」という方におすすめのアイテムです。
ホット系パーマの場合
ホット系パーマは、乾いている状態で一番カールがしっかり出ます。ですので、朝のスタイリングが少しでもラクになるように、夜髪を乾かす時に形をつけて乾かしましょう。
(1)ぬれた髪を乾かす前に、毛先にドライヤーの熱から髪を保護するオイルやクリームをつけます。そして、一番乾かしづらい根元から乾かしましょう。
(2)根元が乾いてきたら、中間から毛先を7割くらい乾かします。乾かし方はただドライするだけでOKです。7割くらい乾かしたら、一度髪をとかし、中間から毛先までの髪をねじりながらしっかり乾かします。
朝はクシで髪をとかし、寝ぐせがあれば直しましょう。夜にしっかりカールが出るようにしておけば、朝ワックスをつけるだけでカールをキープできます。
■コールド系パーマとホット系パーマの共通ポイント3つ
(1)髪をねじる方向を意識
髪を乾かす時にねじる方向は、巻いた向きと同じ方にするときれいに収まるので、担当した美容師さんに確認しましょう。
(2)ドライヤーは上から
中間から毛先を乾かす場合は、下からドライヤーをあてると、毛先がはねたり広がりすぎてしまいます。なので、上からドライヤーをあて乾かしましょう。
(3)髪の根本の向きを意識
髪の生え方により、左側と右側のどちらかがはねやすいと思います。はねやすい方は、パーマをかけた場合もきちんと乾かさないと、まとまりづらくなります。
毛先のおさまりは根元がどの方向に向いているかで決まります。例えば、左にカールを流したい時は、根元も左を向くように、根元からしっかりねじって乾かしましょう。
■おすすめのスタイリング剤
ムース、ジェル
デザインポッド カールメイクフォーム/ウェーボ デザインポッド
画像上のアイテムです。ほどよいセット力と弾力感で、リッジのあるカールが演出できます。
(200g 税込価格1,760円)
モデニカ ナチュラル J/モデニカ ナチュラル
画像下のアイテムです。ウエットすぎないナチュラルなつや感を出します。ほどよいセット力なので、硬くなりすぎない質感に仕上がります。
(90g 税込価格1,980円)
ワックス
パウダーシェイク/ステージワークス
中に入っている液状のワックスが、髪の束感を出し、根元を立ち上げるようにボリュームを出してくれます。
(150ml 税込価格1,650円)
バーム
N. ナチュラルバーム/ナプラ
ほどよいスタイリング力にぬれたような質感がプラスされ、流行りのこなれ感スタイルが再現できます。
(18g 1,320円/45g 税込価格2,200円)
■どうしても上手くセットできない方におすすめのヘアカット
顔周りの動きが出しづらい方は、顔周りに「レイヤー」を入れてみてはいかがでしょうか? レイヤーを入れることで、軽さと動きを出しやすくなります。
また、どうしてもカールが上手くまとまらず重い印象になってしまう方は、耳後ろの毛量を軽くしてみてはいかがでしょうか? 耳後ろは特に毛量が多い部分です。その部分に毛の量が多いと、正面から見た時に、サイドの部分にボリュームが出て見えます。
パーマをかけて髪にカールがプラスされるということは、ストレートの状態よりもボリュームが出るため、余計に広がって見えます。パーマの動きや軽さが出づらくなるため、耳後ろの毛量調整を美容師さんに相談してみることも良いでしょう。
パーマヘアについてご紹介いたしました。ぜひ、参考にして、短時間で上手にスタイリングしてみてください。
(美容師/ヘアメイク/セミナー講師 Mayu)
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【参考】
※デザインポッド カールメイクフォーム – ウェーボ デザインポッド
※モデニカ ナチュラル J – モデニカ ナチュラル
※パウダーシェイク – ステージワークス
※N. ナチュラルバーム – ナプラ