お弁当の副菜、サラダや炒め物に大活躍する「ブロッコリー」。アンチエイジング効果が期待できるので、40代・50代の女性にこそ食べていただきたい野菜です。
ずぼらだけど国際薬膳調理師である筆者が、ブロッコリーの効能とエイジングケアを叶える簡単レシピをご紹介します。
■40・50代にブロッコリーがおすすめな理由3つ
(1)アンチエイジングの臓腑である「腎」を労わる
中医学において、エイジングケアと関わりのある臓腑は「腎(じん)」です。腎は生殖・発育を担当する臓腑ですので、腎が弱ると老化がすすみやすくなるといわれています。
中医学では7の倍数で女性は変化すると考えられており、そのピークは28歳で35歳、42歳とゆるやかに低下していきます。年齢における変化は自然なものなので仕方がないことですが、少しでも老化をゆるやかにするためには腎を労わることが必要です。
ブロッコリーは腎を労わる効果にすぐれていますので、エイジングケアにとても適している食材です。
(2)胃腸の働きを高める
中医学の世界では胃腸系システムのことを「脾(ひ)」といいますが、脾には、肌のツヤ・弾力・ハリの源ともいわれている「気(き)」を作り出す働きがあります。脾が弱り気が減ると、肌がたるみやすくなる原因にもつながります。
そこで意識したいのが、脾を高める効果が期待できる食材を摂取すること。ブロッコリーには脾の働きを高める効果が期待できるので、毎日こまめにいただきましょう。
(3)身体を温めも冷やしもしないマイルドな性質
薬膳の世界では身体を温める食材・冷やす食材というものがあり、その食材を自分の体質や悩みに合わせてチョイスして組み合わせていくことが重要だと考えられています。
サラダの定番であるトマトやきゅうりなどは身体を冷やす性質のため夏には向いていますが、年中食べると身体が冷えることで血の巡りが悪くなりやすく、肌トラブルや不調を招く原因につながることもあります。
その点、ブロッコリーは身体を温めも冷やしもしないので、体質問わず年中食べることができます。マイルドな性質なため、他の食材とも組み合わせやすいというところもおすすめの理由のひとつです。
※上記3つのポイントは、カリフラワーにも同様の働きが期待できますのでカリフラワーでもOKです。
■エイジングケアを叶える!ブロッコリーの簡単レシピ
ブロッコリーとすり黒ゴマの和え物
茹でたブロッコリーにすり黒ゴマをかけるだけ。味付けは「オリーブオイル&塩」「かつおぶし&醤油」など、お好きな食べ方でいただいてください。
ポイントは、すりゴマを使ったところです。ゴマはそのまま食べると栄養成分をほとんど吸収できず体外に排出されてしまうので、ぜひすり黒ゴマを選んでください。
ゆで豚とブロッコリーの生姜ポン酢和え
茹でた豚肉(80g)と茹でたブロッコリー(お好きな分)をすりおろした生姜とポン酢で和えるだけの簡単な1品です。
簡単な料理ですが、この組み合わせはエイジングケアをさらに高めます。なぜなら、豚肉にもブロッコリーにも腎を労わる働きが期待できるからです。腎は冷えに弱く温めると働きがアップしますので、身体を温める生姜をポン酢にプラスしました。
ブロッコリー&エビ&玉ねぎのオーブン焼き
エイジングケアの黄金コンビのブロッコリーとエビ。どちらも腎の働きを高める食材なので、エイジングケアに役立ちます。
作り方は簡単で、耐熱皿に茹でたブロッコリー(お好きな分)、解凍したエビ(4尾程度)、薄く切った玉ねぎ(1/4程度)を入れ、塩・コショウをした上にチーズ(適量)をトッピングし、焼き目がつくまで焼くだけです。
スーパーで簡単に手に入るブロッコリーを食べて、内側からエイジングケアをしていきましょう! 薬膳は組み合わせ方が大事ですので、今回ご紹介したレシピをぜひ試してみてくださいね。
(薬膳ライフバランスプランナー/国際薬膳調理師/コラムニスト 倉口 ゆうみ)
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【参考】
※日本中医食養学会/著(2006年)『現代の食卓に生かす食物性味表 改訂2版』燎原書店※栗原毅・中山貴弘・陳志清・菅沼栄・楊暁波/監修(2016年)『漢方・中医学がわかる本』宝島社※櫻井大典/著(2018年)『ミドリ薬品漢方堂のまいにち漢方』ナツメ社※東京慈恵会医科大学付属病院 栄養部/監修(2017年)『その調理、9割の栄養捨ててます!』