調理の基本となるのは、やっぱり道具の使い方。なかでもマストアイテムの包丁は、自己流で使用している方も多いのではないでしょうか。しかし間違った使い方は指や手を切ってしまったり、食材を上手く切れずに潰してしまったりする原因になりかねません。そこで今回は料理研究家である筆者が「知っているようで知らない正しい包丁の握り方」をご紹介します。今さら人に訊けない基本中の基本だからこそ、ぜひ一度おさらいしてみてください。
■1:普通に切るとき
1.親指と人差し指で刃の付け根を挟むように握り、刃先がぶれないように固定します。
2.残りの指を柄に回し、包み込むように握ります。指だけでなく、手全体でしっかり握るように意識すると、刃先がぶれずにきちんとコントロールすることができます。
■2:強く力が必要なとき
1.親指と人差し指で刃を挟むように握ります。
2.残りの指を柄に回すようにして包み込みます。
3.人差し指を刃の腹付近までしっかりと伸ばし刃の腹を押さえると、強い力が加わったときもぶれず安定感が増します。
■3:繊細な力加減が必要なとき
1.人差し指を包丁の峰に沿わせます。
2.親指で付け根を押さえます。
3.残りの指で柄を優しく包み込むように握ると、食材を切った際の感覚が伝わりやすく、微妙な力加減の調整にも適しています。
■4:皮むきをするとき
1.親指と人差し指で刃の根元を挟むように握ります。
2.残りの指を柄に回し、包み込むように握ります。
3.刃を横にして食材に合わせる際に、親指を刃と食材の接地付近までおろすことで、力加減や向きのコントロールがしやすくなります。また、人差し指はなるべく刃全体を押さえるように中央付近に添えた方がより安定感が増します。
一度クセになってしまった握り方は一朝一夕に正せるわけではありませんが、なるべく意識することで徐々に正しい握り方に矯正できます。ぜひ今回の記事を参考に、調理の基本である包丁の握り方についてもう一度意識するきっかけにしてくだされば幸いです。慣れない握り方での調理は、普段と指の位置が変わっていることも考えられます。怪我のないように細心の注意を払って下さい。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
(料理研究家 オガワチエコ)