高い痩せ効果が期待できる「甘酒」ですが、飲み方によっては太ってしまう場合があります。
管理栄養士の筆者が、太りやすい甘酒のNGな飲み方と、痩せ効果を高める飲み方をご紹介します。
■甘酒の痩せ効果
「甘酒」は甘い飲み物ですが、なぜ痩せ効果があるのでしょうか?
甘酒には、「オリゴ糖」や「食物繊維」が含まれており、腸内環境を整える効果があります。腸内環境が整うと、栄養素の消化・吸収がスムーズに行われるため、代謝が上がり痩せやすい身体に導かれます。
また、甘酒には「ビタミンB群」も豊富に含まれていることから、糖質やタンパク質などの栄養素の代謝が促されることも、痩せやすい体質に近づける理由のひとつとなります。
痩せ効果が高い甘酒ですが、飲み方によっては逆効果をもたらすことがあります。以下のような飲み方をしていないか、チェックしてみてください。
■太りやすい甘酒の飲み方3つ
(1)酒粕甘酒を選ぶ
甘酒には「米麹甘酒」と「酒粕甘酒」の2種類があります。
米麹甘酒は米と米麹だけで作られており、ノンアルコールである一方、酒粕甘酒は酒粕を水に溶かして砂糖を加え飲みやすくしており、アルコールを含みます。
ダイエットが目的であれば、砂糖を含まない米麹甘酒を選ぶのがおすすめ。
とはいえ、酒粕から作られた甘酒も、発酵により「アミノ酸」や「βグルカン」などのさまざまな栄養素が含まれているため、飲んではいけないわけではありません。
酒粕甘酒ばかり飲むのではなく、米麹甘酒も取り入れるようにしましょう。
(2)夜遅い時間に飲む
甘酒は痩せ効果が高い飲み物ではありますが、糖質も多く含まれるため、飲む時間帯にも注意したいところ。
体内時計を調整するタンパク質の一種である「BMAL1(ビーマルワン)」は脂質の蓄積に関与しており、BMAL1が増える午後10時~午前2時の間に食事をすると、脂質が蓄積されやすいのだそう。
反対に、午後3時頃は、BMAL1が少なくなるといわれています。そのため、活動量が多い日中や、おやつタイムに甘酒を飲むと良いでしょう。
(3)飲み過ぎる
痩せ効果が高い甘酒でも、飲み過ぎるとカロリー・糖質過多になり、太る原因につながってしまいます。
製品にもよりますが、1日にコップ1杯(150~200ミリリットル)を目安に飲むようにしましょう。
■甘酒の痩せ効果を高める飲み方
玄米甘酒を選ぶ
玄米には、白米と比べて「食物繊維」が約6倍も多く含まれています。そのため、玄米と米麹で作られた「玄米甘酒」は、一般的な米麹甘酒よりも高い痩せ効果が期待できます。
つぶつぶ感もあるので、食感も楽しめるでしょう。つぶつぶ感が苦手な方は、牛乳や豆乳で割ると飲みやすくなりますよ。
ココアやトマトジュースと割る
甘酒はそのまま飲んでも痩せ効果が期待できますが、ココアやトマトジュースで割るとさらに痩せ効果を高めることができます。
ココアには不溶性食物繊維である「リグニン」が豊富に含まれており、便通の改善や腸内環境を整える働きがあることから、甘酒と組み合わせると効率の良い腸活効果が得られるでしょう。その結果、代謝アップが狙えます。
また、トマトには抗酸化作用がある「リコピン」が豊富に含まれており、血液中のコレステロールや中性脂肪を減らしたり、肥満になるリスクを下げる効果が期待できるのだそう。
痩せ効果が高い飲み物と甘酒を組み合わせると、効率良くダイエットを行うことができるうえ、ひと味違った甘酒を楽しめるので一石二鳥ですよ。
寒い季節は「甘酒」を飲む機会が増えると思いますが、ご紹介したNGな飲み方を忘れずに、甘酒のある生活を楽しんでくださいね。
(フリーランス管理栄養士 今井 尚美)
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【参考】
※腸内環境改善効果 – 森永製菓
※【甘酒は飲む点滴!美容・健康効果とは?体に嬉しい栄養はいっぱい!】 – わかさ生活
※甘酒には2種類の作り方があるとのことですが、ノンアルコールのものはどちらですか。2種類の違いも教えてください。 – 農林水産省
※肥満解消の食習慣を身に付けよう – オムロン ヘルスケア
※保健指導室だより Vol.10 2013.3 – 明陽会