「西洋のかつおぶし」といわれるほど、旨味成分がたっぷり。これから本格的な旬を迎える「玉ねぎ」を、日ごろから常備野菜として利用している方も多いと思います。玉ねぎの血液サラサラ効果や、善玉コレステロールを増やして悪玉コレステロールを減らす働きについてはご存じの方もいらっしゃるでしょう。しかも美味しいだけでなく、健康野菜としても重宝する玉ねぎ。実は、ほとんどの人が捨ててしまう「茶色の皮」部分にこそ、ビタミンEよりも強い「スーパー抗酸化力」を持った30代からのアンチエイジングに嬉しい部分なのです。
■「ケルセチン」の働きと皮の活用法
玉ねぎの茶色の皮の部分は、ポリフェノールのひとつ「ケルセチン」という物質を多く含みます。そもそもポリフェノールとは、植物が虫などによる攻撃や、光合成のプロセス、紫外線により生じる活性酸素から自らを守るための生体防御物質。私たち人間にも恩恵があることが確認されています。玉ねぎの皮には、ポリフェノールのフラボノイド系フラボノールに分類される「ケルセチン」が多く含まれ、その抗酸化作用は、ビタミンEと比べてはるかに強力といわれています。
ケルセチンに期待できる働き4つ
- 強い抗酸化作用、抗がん作用で細胞や血管の老化防止。
- ビタミンCの吸収を助け、美肌作用あり!
- 脂肪吸収を抑制して、ダイエットにも。
- 抗ヒスタミン剤としてヨーロッパでは医薬品認定されており、花粉症などのアレルギー体質改善に効果的
玉ねぎの皮の活用法として、1日5gほど煎じて飲んだり、スープの出汁として皮も一緒に煮たり…。積極的にアンチエイジングに活用しましょう。
■薬膳としての玉ねぎ
体に溜まった消化不良物質を薬膳のベースとなる中医学では、不必要な水分「痰(たん)」という毒素として考えます。この「痰」の排出を玉ねぎは促す作用があり、むくみ改善や代謝アップに効果的です。また、消化機能を向上させ、胃もたれやお腹のハリなども解消されるそうです。アンチエイジングだけでなく、生活習慣病予防などの健康のためにも「玉ねぎ」は皮ごとホールで活用し、カラダの中にしっかり届くよう、できるだけ毎日摂っていきたいものです。
(美巡セラピスト&国際薬膳師、国際薬膳調理師 余慶尚子)
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【参考】
※吉田企世子監修/松田早苗監修『おいしく健康をつくる あたらしい栄養学』(高橋書店)