日々の忙しさにストレスを感じている人は多いのではないでしょうか。心身ともに、少しでもストレスを減らしたいところですね。
管理栄養士の筆者が、リラックス効果が期待できる飲み物と食べ物をご紹介します。
■リラックス効果がある飲み物
(1)ココア
ココアには、「テオブロミン」という成分が含まれています。テオブロミンには、神経を落ち着かせる働きがあるといわれています。
温かいココアで、ほっとひと息つくのも良いですね。
(2)緑茶
緑茶に含まれる「テアニン」にもリラックス効果が期待できるといわれています。特に新茶や玉露などのお茶には、テアニンが多く含まれているそうです。
新茶は4~5月頃のもののことをいいますので、春ごろになったら飲んでみてくださいね。
(3)ほうじ茶
ほうじ茶は、香ばしい香りが特徴的ですよね。その香りは「ピラジン類」によるもので、脳をリラックスさせる効果が期待できるといわれています。血液の流れを良くする効果も期待できるので、冷え改善にもおすすめです。
寒い季節、ほうじ茶で心も身体も温まりましょう。
(4)コーヒー
コーヒーの香りには、リラックス効果があると報告されています。コーヒーの香りを嗅ぐだけでも、脳でα波が出てリラックスできるそうです。
また、コーヒーに含まれる「カフェイン」にもリラックス効果が期待できるといわれています。
カフェインを摂りたくない寝る前には、カフェインレスのコーヒーで、香りを楽しむことをおすすめします。
(5)牛乳
牛乳には「トリプトファン」が含まれていますが、トリプトファンは精神を安定させる効果が期待できるといわれています。「セロトニン」という、寝つきをよくする神経伝達物質の原料にもなります。
寝る前に温かい牛乳を飲むと、リラックスして眠ることができるかもしれませんね。
■リラックス効果がある食べ物
(1)チョコレート
チョコレートにも、ココアと同じく「テオブロミン」という成分が含まれています。
また、チョコレートの甘い香りには、集中力を高める働きもあるといわれています。落ち着いて集中したい時には、チョコレートがおすすめです。
(2)柑橘類
柑橘類には「クエン酸」が含まれていて、エネルギー代謝をスムーズにします。そのため、疲労がたまりにくくなるといわれています。
また、柑橘類の皮に含まれている「リモネン」という香り成分にはリラックス効果があります。皮を食べることはなかなかありませんが、下記を参考にとりいれてみてください。
・紅茶を飲む時にレモンをうかべる。
・お浸し、豚汁にゆずの皮をのせる。
このように、皮も美味しく食べる方法があります。香りが良く、いつもと違う食事を楽しめるため、おすすめです。
(3)きのこ
きのこには「GABA(ギャバ)」というアミノ酸が含まれていて、抗ストレス作用があると報告されています。寝つきをよくする働きや、免疫力の低下を防ぐことにも効果が期待できるといわれています。
特に、ブナシメジやブナピーにはGABAが豊富に含まれています。さまざまな健康効果があるきのこ。日常的にも積極的に摂りたいですね。
(4)牛すじ肉
「グリシン」というアミノ酸が含まれています。
グリシンには、神経伝達物質の「セロトニン」を増加させる働きがあります。精神を落ち着かせ、寝つきをよくしてくれます。
いかがでしたか? ストレスは、自分が思っている以上に溜まっていることがあります。普段から飲み物や食べ物でも意識して、ほっとひと息つける時間をつくってくださいね。
(フリーランス管理栄養士 今井尚美
「根拠のある情報を」「体の内側から美しく」がモットー。健康や美容に関する記事執筆や相談業務などフリーで活動中。糖尿病療養指導士、ピンクリボンアドバイザーの資格有。現在はサプリメント管理士の資格取得中。)
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・痩せ体質になる飲み物は?ダイエット中に飲みたいお茶3選
【参考】
※チョコレート・ココア健康講座 – 日本チョコレート・ココア協会
※【第1回】テアニンでほっとひといき – 太陽化学
※アミノ酸(テアニン) – 伊藤園
※ほうじ茶の香気に関与する成分の分析 – 農業・食品産業技術総合研究機構野菜茶業研究所
※コーヒーと健康 – 全日本コーヒー協会
※トリプトファン – わかさ生活
※リモネン – わかさ生活
※GABA – Hokto
※グリシン – わかさ生活