薄着になることが増えた今、家で過ごす時間が増えたことによる体重増加を気にして、慌ててダイエットを始めた、という方も少なくないのでは。
効果的なダイエットのためにも、「自粛太りの原因」を知り、生活習慣を見直すことが大切です。
そこで今回は、自粛太りの原因を、栄養・食事療法なども行う赤坂ファミリークリニック院長の伊藤明子先生に伺いました。
■自粛太りの正体はストレスによる食べ過ぎ+運動不足?
外出自粛で自宅にいる時間が増え、ついお菓子に手が伸びて食べてしまったという人は多いはず。また、外出できないストレスを食べることで解消したり、食べることしか楽しみがなかったり、自粛によるストレスから食べ過ぎてしまった人も多いよう。
さらに、ある調査によると、自粛期間中、1日の歩数が約1000歩ダウンしているというデータもあり、運動量が大幅に減ってしまっていることがわかります。
■自粛太りスパイラルにはまってない? 太ってしまう原因って?
「ストレス太りから脱却して健康な身体と心、脳を作って、それを維持・増進するには、食べ方の工夫だけでは実現できません」と伊藤先生。
「食と栄養、運動、睡眠、嗜好(お酒、たばこ等)、ストレス管理、人間関係、環境管理と、トータルに心と身体、脳の健康を考え、それを維持・増進させていくことが大切です」
では、そもそも太ってしまうのはどんな原因からなのでしょうか?
「肥満は、摂取カロリーが消費カロリーを上回ることで起こります。摂取カロリーが上回る原因として、大きく下の5つのリスク因子があります」
(1)不健康な食生活
(2)運動不足
(3)睡眠不足
(4)ストレス
(5)遺伝的要因
「両親から受け継いでいる遺伝子レベルでの『太りやすさ』ですが、そのような太りやすさを引き継いでいたとしても、その影響は1/3程度といわれています」
「つまり、自分が太りやすい遺伝子を持っていたとしても、その結果である自分の体型や体重の2/3の責任は自分の生活スタイル(食、運動、睡眠、ほか)によるのです。『親譲りのぽっちゃりだから諦めるしかない』ということはないのです!」
■ダイエットは食事の見直しから!太りやすい食生活かチェックを!
「体重増加が気になる人は、まずは食生活をチェックしてみましょう。下のチェックポイントに多く当てはまるほど、不健康な食生活になっている可能性が。健康的な食生活にシフトするポイントを押さえて、自分の食生活を見直ししてみましょう」
不健康な食生活になっていない? 5つのチェックポイント
(1)白いご飯、白いパン、麺類を食べ過ぎている
(2)食事を抜いている
(3)食後の甘いデザート習慣がある
(4)規則正しい時間に食べていない
(5)食物繊維をしっかり取れていない
「血糖値を急上昇させやすい食事や、食事抜きの生活は肥満のもと。また、食事の時間が狂うと腸内細菌のバランスの乱れの原因にも」
「抗酸化力の高い、鮭やブロッコリースプラウト、糖質が低く、ビタミン、ミネラル、食物繊維が摂れる雑穀、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維がバランスよく含まれるごぼうなどの食品を積極的に摂取することがおすすめです」
食事、運動不足、ストレスなど様々な要因によって引き起こされる、自粛太りスパイラル。まずは原因と、食生活の見直しから始めて、すっきりボディを目指しましょう!
(つやプラ編集部)
【伊藤 明子(いとう みつこ)先生 プロフィール】
赤坂ファミリークリニック院長。公衆衛生専門医、小児科医。一般診療に加え、栄養・食事療法、ストレス管理(バイオフィードバック・ニューロフィードバック)での診療、障害のあるお子さんの診療、支援などを行う。
東京大学医学部附属病院小児科医師、東京大学大学院医学系研究科公衆衛生学/健康医療政策学教室客員研究員。著書に「小児科医がすすめる最高の子育て食」「医師がすすめる抗酸化ごま生活」など。
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