美容・健康面ともに良い影響をもたらすといわれる「シジミ」。40・50代に嬉しい栄養素も豊富なのだそう。
管理栄養士の筆者が、シジミの栄養や効果的な食べ方をご紹介します。
■心の疲れ&貧血対策にも◎!シジミの栄養
シジミには、「カルシウム」や「鉄」「オルニチン」などのさまざまな栄養素が豊富に含まれています。
カルシウム
更年期女性は女性ホルモンの分泌低下に伴い、骨が弱くなりやすいといわれています。
カルシウムは骨を丈夫にする働きがあるため、更年期女性は特に意識して摂取したい栄養素です。
鉄
シジミに含まれる鉄は「ヘム鉄」という吸収率が高い種類の鉄であるため、効率よく鉄分補給することができます。
女性は月経で鉄を失いやすいため、コンスタントに鉄を摂取しておくことがおすすめです。
オルニチン
シジミの特徴的な栄養素であるオルニチンは二日酔い対策に役立つことで知られていますが、心のストレスを減らす効果もあるのだそう。ストレスは、睡眠不足や肌荒れにもつながるため、蓄積する前に対処したいところですね。
日常的にシジミを食事に取り入れて、ストレスケアをしましょう。
■シジミを効果的に食べるコツ3つ
(1)冷凍してから調理する
シジミに含まれる「オルニチン」は、一度冷凍した後に調理するとオルニチンの量が7~8倍にも増えるといわれています。
砂抜きなどの下処理をすませたシジミを平らになるように袋に入れて、新聞紙で包んでゆっくりと冷凍してください。解凍するときは、沸騰したお湯に入れると殻が開きます。
スーパーでも冷凍シジミが売られているため、利用すると良いでしょう。冷凍することで旨味も凝縮されるため、美味しく食べることができます。ぜひ、試してみてください。
(2)牛乳と組み合わせる
牛乳に含まれる「カゼイン」というタンパク質は、体内で「カゼインホスホペプチド(CPP)」という物質を生成します。
カゼインホスホペプチドはミネラルと結びつく性質があるため、鉄の吸収率を助けてくれるのだそう。そのため、鉄を効率よく摂取するために「シジミのクラムチャウダー風」や「シジミのミルクスープ」など、牛乳と組み合わせていただきましょう。
また、シジミと牛乳には「カルシウム」が豊富に含まれていますが、カルシウムは「ビタミンD」によって吸収率が高くなります。カルシウムの吸収率も高くするため、ビタミンDが豊富な干しシイタケやキクラゲもスープにプラスしましょう。
きのこ類には旨味もたっぷり含まれるため、さらに美味しく仕上がりますよ。
(3)納豆・味噌と組み合わせる
納豆や味噌に含まれる「トリプトファン」というアミノ酸は、セロトニン(神経伝達物質)の材料です。セロトニンには、寝付きを良くしたり精神を落ち着かせる働きがあるため、シジミと組み合わせることで心の疲れを和らげる効果を高めることができます。
「シジミの味噌汁」にしたり、納豆に加熱したシジミとごま油をプラスしていただきましょう。味噌や納豆には大豆由来の「イソフラボン」も含まれるため、40・50代女性には効果的な食べ方になりますよ。
シジミなどの貝類は、調理の手間からあまり食事に使わないという人もいらっしゃるかと思います。ですが、シジミは冷凍することで栄養価が高くなるため、ぜひ冷凍シジミをかしこく利用して、心と身体の健康・美容に役立ててくださいね。
(フリーランス管理栄養士 今井 尚美)
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【参考】
※藤原昌高 著『からだにおいしい 魚の便利帳』(2010)高橋書店
※第1回 牛乳・乳製品の栄養素って、すごい! – 明治
※トリプトファン – わかさ生活
※カルシウム Ca – わかさ生活
※鉄 – わかさ生活
※オルニチン – わかさ生活