年齢を重ねると、「ダイエットをしてもやせにくくなってきた」と感じる人が多くなります。なぜ痩せにくくなるのでしょうか？
原因の一つは「骨盤バランスのズレ」。骨盤のバランスがずれることで、体型が整いにくくなってしまいます。
女性の体型改善専門パーソナルトレーナーの筆者が、骨盤バランスを整えて、痩せやすくするエクササイズをご紹介します。
■「骨盤前傾」がぽっこりお腹の原因だった
「骨盤前傾」すると、お腹・脚が太りやすくなる
（図は横から見た図で、向かって右側が前、左側が後ろ）
40・50代女性の多くの人が、骨盤前傾になっています。骨盤が前に倒れると、お腹、脚が太りやすくなります。
骨盤が前側に倒れると、お腹が前側に移動し、同時に胃腸などの内臓の位置も前側に移動。ポッコリとお腹が前に出てきてしまうという仕組みです。
さらに内臓を支えている骨盤底筋も下に落ちてしまうため、支えていた内臓も下方に低下。下っ腹が出てきてしまいます。
また、骨盤前傾をさせている太ももの筋肉も過剰に使われて発達するため、ダイエットをしてもなかなか太ももが細くなりません。
このように、骨盤が前傾することは、お腹や脚を太らせる大きな原因となるのです。
骨盤バランスを戻すために「ハムストリングス」を活性化させよう
前傾した骨盤を正しい位置に戻すためには、ももの裏の筋肉群「ハムストリングス」を活性化させることが大切です。
ハムストリングスは、骨盤の下から膝裏までくっついている筋肉です。使われることで骨盤バランスを後ろに傾け、正しい位置に戻すことができます。
一般的に、女性は男性よりもハムストリングスが弱い傾向があります。そのため骨盤前傾が多くなり、下半身太りが多くなります。
■痩せやすい身体へ！椅子を使った骨盤調整エクサ「ヒップリフト」
椅子を使った、ハムストリングスを鍛えて骨盤のバランスを正しい位置に戻すエクササイズを紹介します。
（1）仰向けになって椅子に足を向け、足を座面に乗せます。
股関節・膝関節は90度の角度になるようにしましょう。腰は、反らない（浮かない）ように床に当てます。肩は、すくまないように床に下ろしておきます。
（2）口をすぼめて息をゆっくりと吐きながら、お尻をわずかに浮かせます（5mm程度）。そうすると、ももの裏が緊張してくるのを感じるでしょう。息を吐ききるまで続けます。
（3）息を吐ききったら、鼻から息を吸いながら、お尻をゆっくり下げます。
（4）（2）〜（3）を5回繰り返します。これを1セットとして、30秒の休みを間に入れて、2〜3セット繰り返しましょう。
注意点
注意する点は、お尻を上げすぎないことです。上げすぎると、もも裏の筋肉を十分に使わなくなります。
床から5mmほど浮かすという意識で、わずかに上げる程度でOKです。
ももの裏の筋肉は普段あまり使われずに弱くなってしまい、骨盤前傾を加速させます。このエクササイズを取り入れて、下半身太りをスッキリさせましょう。
（パーソナルトレーナー 藤本 千晶）
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