気温や湿度が下がり、過ごしやすい季節になってきましたが、実は秋は体の老化スイッチが入りやすい時期でもあります。
健康管理士一般指導員の資格を持つ筆者が、「40・50代が秋にやってはいけないNG習慣」とその対策をお伝えします。
■秋に起こりやすいNG習慣
まずは、秋に注意したい習慣からチェックしていきましょう。
(1)甘いものの摂りすぎに注意
「食欲の秋」という言葉もありますが、秋には魅力的なデザートが多く、つい食べすぎてしまうことも。この「つい」が体の老化を加速させてしまうので、注意しましょう。
実は、「甘いものが欲しくなる・食べ過ぎる」というのは、感覚的なものではなく、体の自然な反応でもあります。
気温が下がり始めると、私たちの体はすぐにエネルギー(熱)となる糖分を自然に求めるようになります。
さらに、ホルモンも食欲に関係しています。
幸せホルモンとして知られる「セロトニン」には、満腹中枢を刺激して食欲をコントロールしてくれる働きを持っていますが、分泌量は日照時間に応じて変わるといわれています。
夏に比べて日照時間が少ない秋は、「セロトニン」の量が減少するため食欲が増しやすいというわけです。
(2)ストレスや刺激に注意
夏から秋へと変わり、気温や湿度が大きく変化して、意識しないまま冷えを感じる機会も多くなって、体には思った以上のストレスがかかっています。
不規則な食生活や温度変化などの体にかかる負担は、予想以上に刺激やストレスとなり、老化の原因となる「活性酸素」が大量に発生する可能性があるといわれています。
(3)お風呂の習慣
まだまだ汗をかきやすいこの時期に、忙しさも重なって、お風呂は簡単にシャワーで済ませていませんか?
シャワーは、湯船に浸かるのに比べたら十分に体を温めることができず、代謝が滞りやすくなります。すると「むくみ」や「太りやすい」などの老け体質に近づいていくことも。
反対に熱いお風呂でしっかり発汗させる「デトックス」にも注意しましょう。高い温度で長時間湯船に浸かると肌がふやけてしまい、バリア機能の低下・肌の乾燥のきっかけにもなります。
■老化を加速させない習慣
秋の「老け急加速」を抑えるための、対策をご紹介します。
(1)甘いもの対策は「冷え対策」で
NG習慣でもご紹介した通り、体は寒くなると「熱(エネルギー)を作る」ために甘いものが欲しくなります。そのため、体を冷やさないように「冷え対策」は大切です。
朝晩と日中で体温調節ができるような衣類(カーディガンなど)を活用し、体温を保つことようにしましょう。
どうしても甘いものが欲しくなった時は、ヨーグルトやバナナ、サツマイモといった、腸内環境も整えられる自然の甘みを取り入れるのがおすすめです。
(2)ストレス対策は「食生活」で
ストレス対策として、バランスの取れた食生活が大切です。とはいえ忙しい毎日を過ごしている40・50代は、細かく栄養素のバランスを考えてメニューを作るのはとても大変ですよね。
そこで簡単な目安ではありますが、「できるだけ多くの食材を摂取」することを意識するだけでも、食事のバランスは整ってきます。
例えば、忙しい中では「パンと牛乳」といった少ない食材になりがちですが、ここにサラダを加えるだけでもビタミンなどが摂取できます。
少量ずつ多くの食材を摂取するよう意識を向けるだけでも多くの栄養素を摂取でき、自然にバランスが取れてきますのでおすすめです。
(3)ぬるま湯で湯船につかる
お風呂をシャワーだけで済ませてしまう人は、湯船に浸かるようにしましょう。
また、浸かるお湯も、38度前後のぬるま湯で30分程度を目安に済ませると、体や肌に負担をかけず、無理なく体が温まり、適度なリラックス効果をもたらしてくれます。
つらい猛暑から過ごしやすくなる秋に移り変わったのに、うっかりすると老けが加速してしまいます。気温や湿度の変化に慣れるために、体は多くのエネルギーを使用し、気づかないうちに負担がかかっています。気候や体の特徴を知って、「老け習慣」から脱出しましょう!
(ヘルス&ビューティーコンシェルジュ 西川美佐子)
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【参考】
※『健康管理士一般指導員テキスト』日本成人病予防協会
※『新エステティック学 技術編』日本エステティック協会