「毎日疲れている」「寝ても疲れがとれない」そんな経験はありませんか?
管理栄養士の筆者が、疲労回復効果が期待できる「イミダペプチド(イミダゾールジペプチド)」についてご紹介します。
■「イミダペプチド」とは?
渡り鳥が何日間も休まずに飛びつづけられることに注目し、発見された成分です。鶏むね肉に、高濃度のイミダペプチドが含まれています。
生物ごとに疲労が溜まりやすい場所に多く含まれ、回遊魚では「尾びれのつけ根」、人間では「脳」に多いそうです。
イミダペプチドは2つのアミノ酸が結合しており、摂取すると分解され、血液とともに運ばれます。そして、疲労している細胞(脳など)に達すると、再びイミダペプチドに合成され疲労を回復します。
■どんな疲労にも効く!?
2週間以上、継続的にイミダペプチドを摂取すると、疲労感が改善したという報告があります。また、活性酸素をとり除き、刺激をうけた自律神経を鎮める働きもあります。
自律神経である交感神経と副交感神経の切り替えが上手くできないと質の良い睡眠がとれず、寝ても疲れがとれないことがあります。
疲労に対して睡眠は大事ですが、時間に加え質も大切です。イミダペプチドの効果で、質の良い眠りにつくことが期待できます。
■「イミダペプチド」が含まれる食材とは?
一般的に、鶏むね肉100gで、1日に必要なイミダペプチド200mgが摂取できるといわれています。
イミダペプチドは加熱に強く、安定しているので、いろんな調理法で食べることができます。
■イミダペプチドの効果的な摂り方
長時間加熱したり茹でたりすると煮汁に移行します。ですので、煮汁も一緒に摂取すると良いでしょう。
市販の蒸したチキンなどは手軽に摂れて良いですが、加工段階で成分が流出していることが多いです。
また、「ビタミンC」と一緒に摂取すると、よりイミダペプチドの効果が発揮されると報告されています。レモンやみかんなどの柑橘類や生野菜にビタミンCは豊富に含まれています。
いかがでしたか? 疲労回復には、「イミダペプチド」と「ビタミンC」を意識して摂取してみてくださいね。
(フリーランス管理栄養士 今井尚美
「根拠のある情報を」「体の内側から美しく」がモットー。健康や美容に関する記事執筆や相談業務などフリーで活動中。糖尿病療養指導士、ピンクリボンアドバイザーの資格有。現在はサプリメント管理士の資格取得中。)
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