「気づいたらぽっこりとお腹が出てきてしまっていた。体重は変わっていないのに……」といったことはないでしょうか?
実は、お腹が出てくる理由は脂肪だけではありません。骨の並び方や動き方で、体型にも大きな影響が出てくるのです。
女性の体型改善専門パーソナルトレーナーの筆者が、体重が変わらないのにぽっこりとお腹が出てきてしまう原因と、即効性があるエクササイズのやり方を紹介します。
■お腹のムダ肉の原因は肋骨が広がること
お腹周りのムダ肉は、肋骨(ろっこつ)が広がることと関係があります。肋骨が外側に広がることで、お肉全体が外側に移動してしまいます。
肋骨は胸の部分全体を覆っている籠状の骨。心臓・肺などの臓器を守る役割があります。
この肋骨は、広がったり狭まったりします。肺が空気の出し入れをするため、それに対応しなければいけないからです。
実際にご自身で試してみて欲しいのですが、胸の下の肋骨あたりに手を当てて、思いっきり息を吸って下さい。肋骨は外側に広がってきましたよね?
逆に、思い切り息を吐いて下さい。肋骨は狭まって小さくなりましたね。
このように、肺の動きなどに肋骨の広さは影響を受けるのです。
肋骨周辺の筋肉が正常に働いていれば、肋骨がムダに広がることはありません。
しかし、日常生活の中で呼吸が浅くなってしまうと、肋骨周辺の筋肉が弱化。肋骨を正常な位置まで狭めることができなくなります。
■肋骨が開く原因はお腹の中の筋肉
肋骨を正常な位置まで狭めるためには、お腹の中の筋肉である腹横筋(ふくおうきん)という筋肉を正常に働かせる必要があります。
腹横筋は、肋骨下部・腰部・骨盤上部などからお腹の真ん中に向かい、腰回り全体を包んでいる筋肉。お腹を凹ませたり息を吐いたりするときに使われる筋肉です。
この筋肉が弱くなることで肋骨を十分に狭めることができなくなります。そのため、対策としてこの筋肉を鍛えることが必要です。
■肋骨を閉じるのに役立つ「腹式呼吸エクサ」
肋骨を閉じてお腹を凹ませるための「腹式呼吸エクサ」を紹介します。
(1)背筋を伸ばしてまっすぐ立ち、手はおへそ周辺におきます。
(2)鼻から思い切り息を吸い、お腹を大きく膨らませます。目一杯吸いきったら1カウントキープします。
(3)口から思い切り息を吐きます。吐ききったら1カウントキープします。
(4)(2)と(3)を10回繰り返します。
注意点
息を吐くときは、腰が丸まらないように、しっかり「まっすぐ」をキープしながらお腹を凹ませてください。
ぽっこりお腹の原因が脂肪であれば、凹ませるまでに多少時間がかかります。しかし、骨の並びであれば筋肉を活性化すると変化しますので、比較的即効性があります。
無意識に過ごしていると呼吸はすぐに浅くなり、お腹の筋肉は弱くなり、お腹周りはたるんできます。仕事のちょっとしたスキマ時間に腹式呼吸エクサをとりいれて、美しいウエストラインを手に入れましょう。
(パーソナルトレーナー 藤本 千晶)
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