健康的に痩せるための重要なポイントは、実は「食べ方」です。特に、朝食の摂り方が大切です。
管理栄養士の筆者が、40・50代がすべき朝食の摂り方をご紹介します。
■重要なのは食べ方!?「セカンドミール効果」とは
ダイエットのコツは食べ方だといわれていますが、まずは「セカンドミール効果」について知る必要があります。
セカンドミール効果とは、1日の最初に食べるもの(ファーストミール)が、次に食べたもの(セカンドミール)の血糖値に影響を及ぼすという作用のことです。要は、朝食に食べるものが昼食の血糖値上昇に影響を及ぼすというもので、朝食の選び方が重要ということなのです。
食後の血糖値上昇を抑えられると、その分、インスリンの分泌量が少なくてすみます。インスリンは、血糖値を下げる働きだけでなく、余分な糖を体内に脂肪として溜め込む働きがあるため、過剰に分泌されると太る原因につながってしまいます。
これらのことから、ファーストミールである朝食には、血糖値を上げにくい作用がある食べ物を摂ることがすすめられます。
■手軽に痩せ効果を!朝食に食べるべきもの4つ
(1)大麦
大麦は、セカンドミール効果により血糖値上昇が抑えられる代表的な食べ物です。ある研究では、朝食に大麦を混ぜた麦ご飯を食べたところ、白米を食べるよりも昼食後の血糖値上昇が抑えられたと報告されています。
大麦には「βグルカン」という水溶性食物繊維が豊富に含まれており、血糖値上昇の抑制に効果的なのだそう。大麦のなかでも「もち麦」は特にβグルカンが豊富なので、朝食にご飯を食べる際はもち麦をお好みの割合で混ぜていただきましょう。
おすすめの食べ方
サラダに茹でたもち麦をプラスするのもおすすめです。プチプチした食感を楽しめるため、ぜひ試してみてください。
(2)ごぼう
ごぼうも、セカンドミール効果により血糖値上昇が抑えられる食べ物です。
ポイントとなるのが、「イヌリン」という水溶性食物繊維。ある研究では、イヌリンを朝食に摂取すると、昼食後の血糖値のみならず夕食の血糖値上昇まで緩やかになることがわかっています。
イヌリンはごぼうに多く含まれています。朝食にごぼうを食べることでセカンドミール効果が得られ、痩せ体質に近づくことができますよ。
調理のコツ
朝からごぼうを下処理するのは大変です。冷凍のごぼうも売られているため、利用すると良いでしょう。
(3)とろろ昆布
食物繊維には、「不溶性食物繊維」と「水溶性食物繊維」の2種類がありますが、セカンドミール効果が特に期待できるのは水溶性食物繊維だといわれています。水に溶けてゲル状になることで摂取した食べ物の消化・吸収速度が遅くなり、糖質の吸収が穏やかになるからです。
とろろ昆布には「アルギン酸」や「フコイダン」が豊富に含まれており、これらは水溶性食物繊維であるため、朝食に食べることでセカンドミール効果が得られると考えられます。
手軽に取り入れられるのも、嬉しいポイントだといえます。
おすすめの食べ方
お茶漬けやおにぎり、スープにプラスしていただきましょう。チーズやトマトと一緒にトーストにのせても美味しいため、試してみてください。
(4)牛乳
朝食に牛乳を飲むと、昼食の血糖値上昇が抑えられる他、昼食以降の食欲が抑えられるという研究報告があります。牛乳に含まれるタンパク質である「カゼイン」「ホエイプロテイン」には、炭水化物の吸収を遅くする作用があるからなのだそう。
さらに、食欲増進作用がある「グレリン」の分泌を抑えて、満腹感も得やすくなるのだそう。なので、牛乳の痩せ効果は抜群だといえますね。
忙しい朝でも牛乳はすぐに用意できるため、時間をかけずにセカンドミール効果を得たい場合は牛乳を活用することをおすすめします。
おすすめの飲み方
お酢にも血糖値上昇を抑える作用があるため、牛乳+リンゴ酢などと組み合わせるのも◎。お酢の働きで牛乳がヨーグルトのようになり、一味違ったドリンクを楽しめますよ。
健康的に美しく痩せるためには、「セカンドミール効果」がある食べ物を取り入れることがおすすめです。ご紹介した食べ物は、いずれも手軽に取り入れられるため、ぜひ朝食に活用してみてくださいね。
(フリーランス管理栄養士 今井 尚美)
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【参考】
※食後血糖値を抑える賢い食べ方「セカンドミール効果」 – はくばく
※大麦の健康情報 – 大麦食品推進協議会
※セカンドミール効果と攻めの間食 – 江崎グリコ
※昆布の栄養 – くらこん
※朝食で「牛乳」を飲むと1日を通じて血糖値が低下 糖尿病の食事改善 – 糖尿病ネットワーク
※食物繊維 – わかさ生活