気づいたら、脇腹から浮き輪のようにお肉がはみ出していた……というようなことはないでしょうか?
その原因は、脇腹の筋肉の固さにあるかもしれません。そしてそれを放っておくと腰痛の原因にも……。
女性の体型改善専門パーソナルトレーナーの筆者が、仕事の合間に座ったままできる、浮き輪肉を撃退するストレッチをご紹介します。
■座りっぱなしは浮き輪肉と腰痛の原因
肋骨が引っ張られて、浮き輪肉が目立つように
座りっぱなしだと浮き輪肉が目立ってきてしまいます。脇腹の筋肉が固くなり、肋骨が下に引っ張られてしまうためです。
座っているときに、脇腹の筋肉は縮まり固定されています。長時間同じ姿勢を続けることで、血流やリンパなどの体液の流れは悪くなり、筋肉が徐々に固くなります。
筋肉が固くなると、筋肉がくっついている骨同士が引っ張られ、その距離が短くなります。脇腹の筋肉の多くは骨盤と肋骨にくっついており、固くなると骨盤と肋骨の距離が短くなってしまいます。
骨盤と肋骨の距離が近くなると、余ったお肉は外側にはみ出してきます。そのお肉が浮き輪肉として目立ってきてしまうのです。
同じ姿勢での座りすぎは腰痛の元
長時間座ることを続けると、浮き輪肉が目立つようになるとともに、腰痛の原因になるかもしれません。
同じ姿勢で座り続けることで脇腹の筋肉を固くするとともに、腰に大きな負荷をかけ続けることになります。
意外かもしれませんが、座り姿勢は立ち姿勢よりも背骨の「局所」に大きな負荷をかけることになります。座り姿勢と立ち姿勢で背骨の腰の部分にかかる負荷の大きさを比較したところ、約1.6倍程度、座り姿勢の方が負荷がかかるという報告があります。
座っているときは、この負荷がずっとかかり続けます。理想は小まめに立ち座りを繰り返すことですが、仕事を効率よく終わらせるためには現実的ではありません。
そこで、座り姿勢を変えたり、腰を動かしたりすることが効果的です。腰部の局所にずっと負荷がかかり続けないように姿勢を変えたり、たまに動かしてあげたりすることで、腰部の局所にかかっていた負荷を分散し、腰への負担を軽減することができます。
■浮き輪肉の原因となる筋肉
浮き輪肉の原因となる筋肉は、脇腹にある腹斜筋(ふくしゃきん)という筋肉。胴体を真っ直ぐに保ったり、体を左右に倒したり捻ったりする筋肉です。
腹斜筋は肋骨の下部から骨盤上部にかけてくっついています。この筋肉が固くなることが、肋骨下部を下に引っ張り、浮き輪肉を作ってしまう原因になるのです。
■浮き輪肉を改善!腹斜筋ストレッチ
仕事中に座ったまま簡単にできる、腹斜筋のストレッチを紹介します。
(1)左手を頭の後ろに置きます。
(2)左脇腹にストレッチ感を感じるまで、身体を右側に倒します。この時、左腰をグッと突き出していきます。
(3)ストレッチ感が出たら、そのまま30秒間キープしましょう。この時、呼吸は止めないように意識します。鼻から深く吸って、口から大きく吐きましょう。
(4)反対側も同様に行います。
腹斜筋は、日常生活でほとんど伸び縮みされず、とても固くなりやすい筋肉です。
腰への負担を減らし、重い腰をスッキリさせる効果もありますからスキマ時間に積極的に行ってみてください。
(パーソナルトレーナー 藤本 千晶)
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【参考】
※Low back joint loading and kinematics during standing and unsupported sitting – Taylor & Francis Online
※4 posture fixer-uppers for reducing everyday back pain and stress – カナダ放送協会